二上山の貴重な自然(地質)を守ろう
二上山の貴重な自然(地質)を守ろう
今回確認された柱状節理露頭部分
奈良と大阪の境にある二上山には1500万年前の激しい火山活動の痕跡が残っています。奈良県指定の天然記念物である「屯鶴峯」もそのひとつです。
佐藤隆春氏(大阪市立自然史博物館外来研究員・地質学者)は、2025年末より二上山の香芝市から太子町にかけての地域で地形・地質調査をおこない、火山により形成された「柱状節理」をあらためて確認しました。
この「柱状節理」は1970年代の地質調査でも確認され、その姿は香芝町史(1976年)にも掲載されていました。その後、周辺の大規模な開発で失われてしまったと思われていましたが、その一部が残っていました。今回の調査には地質学者数名と当会メンバーも参加しています。
この地域は「石切場火山岩」(二上層群)とよばれ、地質学等の学術論文で命名・定義されています。
「柱状節理」とは溶岩流などが冷却するとき、体積が最大数パーセント減少 、この収縮により溶岩に規則的な割れ目ができ、冷却面に垂直に岩体が柱をつくって分離されることで形成されます(柱状節理形成説明図)。有名なものでは玄武洞(兵庫県豊岡市 )や東尋坊(福井県坂井市)等があります。
柱状節理は自然の造形美として貴重なもので、二上山は大阪、奈良で「溶岩による柱状節理」を観察できる唯一の場所になります。
今後は、今回確認された「柱状節理」の保存、保護が急がれます。
参照「二上層群の模式地に産業廃棄物中間処理施設」(佐藤隆春)
2026年5月
柱状節理(石切場露頭)の位置:「二上層群の模式地に産業廃棄物中間処理施設」(佐藤隆春氏著)より掲載
柱状節理形成説明図(佐藤氏提供)