二上山の自然・文化と産廃問題を考える
(2025年12月7日)
37市町村、283名が参加
2025年12月7日、「二上山シンポジウム『二上山の自然・文化と産廃問題を考える』」を開催しました。会場となった香芝市のふたかみ文化センター・市民ホールは参加者283名でほぼ満席になりました。
プレ企画のミニコンサートではシンガーソングライターの野田淳子さんが熱唱。「よみがえれ大和川」では「大和川」を「竹田川」に替えて会場の参加者と合唱。最後に「おおきなうた」を全員で合唱し、「みんなが安心して平和にくらせる社会を実現しましょう」としめくくりました。
市民ホール前のロビー(ホワイエ)では、「二上山の魅力展」がおこなわれました。二上山の美しい風景、花々の写真、二上山を題材にした短歌、俳句、絵画などが展示され、参加者を楽しませました。
13時30分からシンポジウムを開始。二上山の自然を愛する会の曽根秀一代表が主催者を代表して「こんなに沢山の方が参加いただき大変うれしいです。県や市に対してはたらきかけをおこなってきましたが、今回のシンポジウムを力にさらに広げ、進めていきます」とあいさつしました。
佐藤隆春さん
1番目の講演者は佐藤隆春さん(地質学者・理学博士)。「二上山はどのようにできたのか」と題して、1500万年前におきた大規模な火山活動とその後の地殻変動が二上山をつくりだしたこと、屯鶴峯の凝灰岩は火砕流で作られたこと、二上山(または,春日山)から産出するサヌカイト、金剛砂の元である石榴(ザクロ)石(ガーネット)などはその火山の産物であること、などを説明しました。かつて疋田砕石が壊し疋田建設が積み上げた産廃盛土で消えたと思われる「石切場火山岩の柱状節理」は、二上山でのマグマの火道(その出口は火口)と考えられています、など話されました。最後に「山を自然のままの姿で残してほしい」としめくくりました。
前圭一さん
2番目の講演者は前圭一さん(奈良県勤労者山岳連盟会長、元大阪経済法科大学教授)。前さんはまず登山者として二上山の魅力を「秀麗な双耳峰」「ササユリなど貴重な植物」などをあげ説明。葛城二十八宿などをスライドで写しながら修験道、太陽信仰から太子信仰、浄土信仰へと生死観の変遷とともに信仰のかたちが変化していく歴史的ながれを解説するとともに、水源の山として水神信仰の対象であるとの説明がありました。二上山が過去から聖地(聖なる山)として多くの人々の崇敬をあつめ、現在は市民や登山者など多くの人々に親しまれ「日本百低山」にも選ばれていることをあげてその二上山をまもることの重要性を訴えました。
奥谷和夫さん
3番目の講演者は奥谷和夫さん(山添村村議・著書「大和ゴミ物語」)。奥谷さんは奈良県下の産廃処理場でおこっている諸問題を実例をあげて解説。不法投棄、水源の汚染、火災の発生、悪臭、道路などの劣化など数々の問題があること、たとえ少量であっても、汚染により人体、生物に大きな影響を与える可能性があることなどを画像やスライドで説明しました。二上山の産廃問題については、事業者の許可は中間処理なのに「造粒固化」という手法で「最終処分」している、そうしたやり方が河川の汚染をまねいている可能性があることを指摘。県や市の姿勢を変えていくには住民の運動、世論が大事と訴えました。
会が作成した「動画・二上山と産廃」(約9分)を上映。休憩後、協賛団体・個人3名が発言しました。大阪で環境活動をしている「大和川市民ネットワーク」の小松清生さんは住民参加による環境をまもる活動の大切さ、香芝市議の青木恒子さんは市議会でこの問題を取り上げてきたこと、市へのはたらきかけをさらに強めること、地元穴虫の山口英雄さんは産廃問題が問題になり始めた当時、自治会役員であった経験を話しました。
最後に事務局長の榎本恭一郎さんが終了のあいさつ。「講師の3名の方のお話で、二上山の魅力、大切さ、そして産廃問題の深刻さを改めて確認することができました。いま県など行政と交渉をしていますが、住民の声をとどけるためさらに運動をひろげていきます」と訴えました。
参加者は6府県、37市町村、283名でした。当日募金として140,920円が寄せられました。また47団体・個人から協賛をいただきました。
※寄せられたアンケートについては現在集計等を準備中です。終了次第掲載いたします。